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コラム:北鎌倉古民家ミュージアムについて
先日、北鎌倉にある「北鎌倉古民家ミュージアム」で開催されている高橋まゆみさん(人形作家)の展覧会に行きました。
作品はおじいさん、おばあさんを中心に昭和の家族の日常を切り取った懐かしいものです。
今ではのんびりしすぎの暮らしかもしれませんね。
展覧会もよかったのですが、建築を生業にするKOKIAは建物にも興味津々です。
この建物は横浜の磯子にあった料亭と福井県の古民家を移築しギャラリーとして再生した建物でした。
どちらも江戸末期から明治初期に建てられたらしいとのことで詳しい築年は不明です。
堅い栗、ねじれに強い松など樹種の特徴と耐久性を生かした柱、梁などの骨組みに加え様々な古材を補って10年の歳月をかけ再生されました。
建物に合った家具、ステンドグラス、照明などインテリアにもこだわっており、ゆがんだガラスの木製窓を通して見る中庭も小雨の中若葉がしっとり…風情がありました。
「古くなったから壊す」より「残して生かす」ことを考えるリノベーションの良い例が古民家再生ではないでしょうか。
そんな考えをマンションのリノベーションに生かせればよいな、と思っています。家は家族の歴史の箱です。
マンションはコンクリートの頑丈な箱ですから保存には最適ですね。
そこで、家族構成が変わったり、新たに家族を迎えたり生活の節目にリノベーションはいかがですか。
以前、息子さん家族と同居が決まったご家族から改装を依頼されたマンションで、使われていなかった和室に息子さんが幼いころ毎年の身長を記録した印のついた柱がありました。
大工さんが上手に切り取ってリビングの一角に移設してくれて今度はお孫さんが印をつけることになり、家族の歴史を繋ぐことができました。
マンションでも愛着のある何かを残したり、古材を使って古民家風に仕上げるなど、世界に一軒しかない素敵なわが家に再生しましょう。 コラム担当KOKIA