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コラム:職場のストレスについて
今回はストレスの定義とそのメカニズムについて簡単ですがお話しします。
皆さんは、自分が危険な状況に遭遇したら「闘いますか」それとも「逃げますか」?猫が危険な状況に遭遇した時、身を守るために瞳孔を大きく見開き、息づかいを激しくし、毛を逆立てて激しく威嚇する姿を見たことがありませんか。このときの生体反応は、心臓から大量の血液が生体全体に送られ、胃腸の消化活動が低下し、血糖値は上がり、血圧が上昇しています。(闘争・逃走反応)人間の場合も同様で、仕事で自分にとって危機的な状況になったら二つの反応があります。一つ目は、良い刺激に感じて、絶好の機会が来たと考え活発に活動します(闘争的反応)。二つ目は、苦痛に感じ、それがプレッシャーとなって、胃が痛くなったり、不安感を感じたりします(逃走的反応)。皆さんはこういった経験がありませんか。人間の身体は、自律神経系の中で交感神経の働きが活発になると活動性が高まり、副交感神経の働きが活発になると活動性を抑制し、常にこのバランスをとっています。しかし、強い刺激が長期にわたって続くとこのバランスが崩れ、様々な心身の障害が発生します。
さてここでストレスについて解説します。個人にとって負担となる刺激を「ストレス要因(ストレッサー)」といい、それによって引き起こされる不安や怒りや不満などの心理的反応と、疲れた、眠れないといった身体的反応、喫煙や飲酒量の増加などの行動の変化を含めて「ストレス反応(心理的反応・身体的反応・行動の変化)」といい、この「ストレス要因」と「ストレス反応」を合わせて「ストレス」といいます。{ストレス要因 + ストレス反応 = ストレス}今の心身状態を分析してみてください。
厚労省の公表データによれば、近年職場で働く人には、仕事の量や責任や質、人間関係、顧客や取引先からのクレームなどがストレス発生の上位を占める要因となっています。公的機関等からは「一人で悩まずに相談してください」というメッセージや連絡先などが出ていますが、早い段階で職場の上司や同僚等へ相談するにはためらいもあり、ましてや外部の知らない人に相談することにも壁があり、いずれにしても相談して職場のストレス要因を解消するには困難を伴うことが多いのではないでしょうか。職場で働く皆さんやマンション管理組合等の団体で活動されている皆さんは、だれでもストレスによる心身の障害が発生する可能性がありますので、ストレスに耐えられる精神力(ストレス耐性)を強くし、自分なりのストレス対処方法(ストレスコーピング)を身に着けていくことが長い仕事生活を過ごすには必要です。そして、一人で抱え込まずに、「安心して相談できる人(ソーシャルサポート)」の存在がストレス低減には必要不可欠であると考えます。リノベーション事業を手掛ける当社は、従業員とのコミュニケーションを大切にし、早い段階でストレス要因を低減するよう努めており、お客様に対しては、「安心して相談できる事業者」を目指しております。
事業戦略室室長 中村 (メンタルヘルス・マネジメントⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種)